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12月23日
お知らせ
薫風舎開業12周年を迎えるこの冬、少し長めのお休みをいただくことにしました。
冬ならではの静けさと美しい雪景色を楽しみにして、毎年のように来ていただくお客様も多く、大変心苦しいところですが、薫風舎も充電の時期に来ているようです。
新緑が眩しくなる季節、また皆様の笑顔にお会いできるよう、薫風舎スタッフ一同体力を蓄えたいと思います。


11月14日
雪景色
今年の秋は暖かな日が多く、カラマツの黄葉も例年に比べて遅く始まった。11月に入り黄金色に染まる針葉を眺めて一週間。突然やって来た冬の使者は、黄葉しているカラマツの葉が落ちる間も与えずに、周りの景色を白一色に変えていった。初雪が遅い年は根雪が早いと言われるが、さて、このまま降り積もる雪なのだろうか。


10月21日

雪虫
ここ数日、日中はわりと暖かな陽気がつづいていたが、朝晩はグッと冷え込んで最低気温が3℃とか0℃まで下がった日があった。いよいよ冬の足音が聞こえてきたかと思ったら、やはりそれを裏付けるかのように、雪虫が舞い始めた。雪虫とは俗称で、学名を「トドノネオオワタムシ」といいアブラムシの一種だそうである。春から夏にかけてトドマツの元で暮らし、冬になるとヤチダモへと引越しをして行くそうだ。その引越しが雪の降る数日から数週間前に見られ、白い綿のようなものを羽に着けて飛ぶ姿がまるで雪が舞っているように見られるところから、「雪虫」と呼ばれるようななったそうである。
紅葉する木々の葉が落ち始め、あとは唐松の黄葉を待つだけとなった秋だが、気の早い冬の到来を告げる使者は、前の季節を押しのけるようにやって来ている。


10月09日

誕生日
今日はムックの誕生日である。10年前の早朝、前の晩から家出をしていたチャイを探しに表へ出た。前の砂利道を数歩行ったところで、トコトコと帰って来るチャイの姿がありホッとしていると、そのすぐ後を追うようについている一匹の犬が見えた。それがムックだった。あの日から薫風舎の一員となったムックは、その後ティンクとクリをあたりまえの様にに家族として向かい入れて、まるで一家の主となっている。
そしてもう一つの誕生日。ムックの誕生日から遡ること丸一年。応援してくれるたくさんの友人と家族に囲まれながら、薫風舎の営業が始まった日が今日、10月9日だ。いつまでも、変わることの無い薫風舎でありたいと思う誕生日の今日である。


10月06日

深まる秋
朝五時、玄関の扉を開けると、冷たい風が体全体を包み込むのを感じた。目の前の寒暖計は3℃の目盛りを指していた。薫風舎の周りの木々も色づき始め、いよいよ秋本番の様相を見せている。


9月27日
朝の月
今朝、4時頃だろか、トイレに起きて窓の外を見ると、遠くトムラウシからなだらかに続く大雪の山々、そこからぐんと高くそびえるオプタテシケ山。そこから始まる十勝岳連峰の、きりりとしまった稜線が、間もなく昇る太陽の、クリーム色に輝く光を背に、はっきりと浮かび上がっていた。その山と空をたどって上のほうを見上げると、空はまだほんのかすかに夜の色を残し、窓の真上のあたりには、三日月をもう少しふっくらさせた月が高々と見えた。窓ガラスに反射して、その月がいくつもいくつも重なって、面白かった。くもの入り込む隙間がひとつもないような、澄みわたった空を見て、思わず窓を開けて、秋の匂いを楽しんだのだった。


9月23日
虹の梯子
昼過ぎには本格的になった、秋時雨。細かい雨が、音もなく降っていた。空は、白と黒の絵の具をただ適当に溶かしたようなねずみ色の雲に覆われ、いつしか同化するように山をすっぽりと覆っていた。夕方、雨はやんだ。美沢小学校のあたりに陽が射し、小学校と隣のカラマツの森の上に、ねずみ色の空をバックに真っ白な雲がぽっかりと浮かんだ。小学校の屋根からその真っ白い雲に向かって、まっすぐに、梯子が掛かったように虹が出た。本の一瞬の出来事だった。


9月21日
初冠雪
今日は、一日中、十勝岳連峰は山の中腹まで、白く厚い雲に覆われている。山の裾野は、少し色が変わってきているように思える。そうしたら、うちからはちょうどカラマツの森と丘に隠れている、旭岳に初雪が観測されたと言うニュースが飛び込んできた。考えてみれば、そういう季節である。いつのまにか、空気はきりりと締まり、半袖ではいられなくなった。十勝岳を覆っている雲がどこかへいったら、こちらも、真っ白な雪が見られるかもしれない。


9月09日
秋晴れの朝
今日は、朝から雲ひとつないすっきりとした秋晴れだった。久しぶりに、半袖で、ラウンジに行くと、輝かしいばかりに、青々とした十勝岳連峰がそびえていた。もりきょんが、コーヒーを持ってきてくれたので、山を見ながら、落としたてのおいしい朝の一杯を、幸せな気分で楽しんだ。そのあと、デッキに出てみると、太陽がまぶしくて、暑いくらいだった。今度は、デッキチェアに腰掛けて、秋の匂いを思い切り吸い込んだ。
ご常連の森さんがやってきて、やはりデッキチェアに腰掛けた。圧倒的な景色に、二人とも、おはようございますといったきり、しばらく言葉を交わすことさえ忘れてしまったのだった。


9月05日
Pavel Nersessian
一昨年11月、パーヴェル・ネルセシアンという、聞いたことのないピアニストの演奏会が、旭川大雪クリスタルホールであった。プログラムが、ベートーヴェンのソナタNo.15「田園」、グリーグのホルベルグ組曲とペールギュント、ショパンのソナタNo.3、リストのハンガリアンラプソディー2番と、多彩で、私の好きな曲ばかりだったので、まったく先入観なしで、あまり期待しないで行った。たしか、あっこちゃんと去年までのスタッフチャコちゃんと4人で出かけたと思う。
おとなしそうなひょろりとしたロシア人ピアニストが、静かにステージに現れ、音楽が流れ出したとたん、私は一気に引き込まれた。アンコールの最後の最後まで、心地よい緊張感の途切れることのない、素晴らしい演奏会だった。私は、すっかり彼の大ファンになってしまった。
演奏会当日、その2年ほど前に来日した折のほとんど自主制作に近いライブ録音のCDを購入した。無名に近いピアニストながら、日本に熱狂的なファンがいること、親日家であることで、少しずつ評判が広がって、2年に一度くらいの割合で、日本での演奏会が実現しているらしいことが分かったが、それ以来、まったく情報がなかったので、そのときの演奏会のことを時々思い出し、一枚のCDを大事に何度も聴いていた。
そうしたら、つい先日、今年10月(確か24日だったと思う。うろ覚え、すみません。)、札幌キタラで演奏会があることが、分かった。全国数ヶ所で演奏会が行われるらしい。主人が、私が購入したCDの発売元である、松永ピアノという山口県の会社に問い合わせたところ一昨年の日本ツアーの演奏会のCDが2枚組みで発売されているという。うれしい情報が舞い込み、半ば興奮気味でCDを申し込んだら、今日早速届いたのだった。
9月1日からみんなより少し長い夏休みで里帰りし、愛知万博でちょっと日焼けしたあっこちゃんもちょうど帰ってきて、久しぶりに4人での夕方のお茶の時間、みんなで一枚目を聴いた。やはり素晴らしい演奏だと思った。一昨年の感動は、やはり本物だったのだと、確信した。10月24日、何とかして、演奏会に行きたいと思う。
ぜひ、ひとりでも多くの人に、聞いてほしいと思う。こういう、質の高い演奏家が、もっともっと、知られるようになってほしいと心から願ってやまない。
松永ピアノのホームページに、CDと、東京、北九州、山口の演奏会の詳細が掲載されています。  


8月31日
夏のシーズン最終日
今年の夏は、急にやってきて、急に去っていった。7月中旬まで、やけに寒くて、きっと今年は冷夏であろうとみなが思っていたら、台風が来て、暑い夏を置いて行ってくれた。そうしたら、毎日毎日、30℃を越す暑さが続き、毛穴の小さい北海道人の私たち(私ともりきょんは道産子、夫はこちらへ来て早二十年近く、あっこちゃんももうすっかり毛穴が北海道人になってしまっている。)は、この連日の暑さと湿度に、かなり参ってしまった。突出した高温は記録しない代わりに、毎日30℃を越す暑さが続き、これがもしかしたら永遠に続いてしまうのではないかと、疑いかけた。
そうしたら、お盆が過ぎたら、大雨が来て、きっぱりと夏は終わり。あれまあと思っているうちに、秋がきちんとやってきたのだった。
薫風舎の夏も、今日までです。今年も、ご常連の方、リピーターの方、何年ぶりの方、それからご紹介や、HPを見てくださっての方など、大勢の方々が訪れてくださいました。いつもの事ながら、皆さんの暖かい声援、とりわけ今年は、皆さんに支えられていることを痛感しながら、4人元気で、無事シーズンを終えることができました。ありがとうございます。
さて、のんびりはしてられません。9月1日、2日と二日間のお休みを頂、薫風舎秋の陣始まります。あっこちゃんは、1日から里帰り。5日までゆっくりしてきてね。その間、3人でがんばるからね。もりきょんには、この埋め合わせ、いつか必ず。待っててね。
おだやかなうす曇の8月31日、夏のシーズンの最終日は、上川地方北部に大雨が降っているそう。このまま、爽やかな一日になりますように。


8月28日
足音
薫風舎の超ご常連、このひとことでもおなじみの大和さんが、今年もう何回目だろう。夏野締めくくり恒例、ご主人と昨日まで2泊、またまたムックやティンクやクリの散歩を楽しみに、きてくださっていた。いつもは、夕方と夜の散歩。最近は、ティンクが遠出を嫌がって、しぶしぶという日もあるくらいなので、少し心配していた。
ところが、そんな心配はご無用であった。私がプライベートにいて、3匹がいつもはのほほんとしている頃、大和さんが車で薫風舎へ帰って来たのが分かった。玄関を入って、足音が聞こえてくるや否や、クリを先頭に、みながプライベートのドアの入り口まで走りより、クンクン、と散歩をせがんだのだった。これには、さすがの私も驚いた。
そういえば、いつもはいつもの時間のトイレで間に合っているはずのクリが、何度も何度も、外に行きたがった。ティンクも、いつもはとことこともったいぶって歩くのに、大和さんの足音を聞いたら、大急ぎでドアに駆け寄り、クンクンと散歩をせがんだ。
みんな、まるで大好きな親戚のおじさんと叔母さん(失礼)が来た時の子供のように、大和さんご夫妻がみえると、うれしくてたまらない様子であった。心臓に少し雑音があるティンクは、前のように、一回りがだんだん辛くなり、途中で帰りたがるのだが、聞くと、にこにことうれしそうに裏の三号線から、ねねちゃん(500m先の角のおそらくムックの娘であろう犬。)の家を率先して曲がり(いつもはこの辺で帰りたがる。)、美沢小学校を回って、元気に2Kmのコースを歩ききったそうだ。
恐るべし大和ご夫妻。どんなに疲れていても、いつも三匹の散歩を欠かさずやってくれていた。みんなに足音まで覚えられるなんて、感服いたしました。


8月22日
秋の予感
一昨日から、土砂降りが続いた。雨が上がると、秋になってしまう気がして、なんだかちょっと怖かった。あれほど、暑い暑いといっていったのに、この雨を境に、夏が行ってしまうのかと思うと、少しさびしい気がしてしまう。夕方、久しぶりに青空出た。はっきりと、秋の予感がした。


8月15日
ソフトクリーム
今日は、久しぶりに夫について、買出しに美瑛の街まで出かけた。いつもより少し早めの時間だったので、貴妃花に預けてあるものを取りに寄った。お互い忙しい身なので、私は車からは降りず、貴妃子さんが車まで顔を見に来てくれて、ふたことみことで、手を振って帰路についた。三愛の丘に向かって車を走らせると、紛れもない真夏の、8月の風景が広がった。刈り取られた麦畑の、枯れ色、牧草ロール、夏の濃い緑、突然現れるひまわり畑のくっきりとした黄色。この季節の風景も、負けない美しさを誇っている。
このまま帰るのがもったいなくなって、茶屋カーブで、ソフトクリームを食べることにした。車から降り、ベンチに腰掛けて、極上の風景を見ながらのソフトクリームは、味がどうのこうのというのを超越し幸福感を味わわせてくれる。あっこちゃん、もりきょん、ごめーん。と、心の中で手を合わせながら、夫と二人で、ソフトクリームをほおばった。
三愛の丘の少し先から、ぐっと下って、水沢ダムの景色をぐるりと楽しみながらの帰り道は、何とも幸せな気分だった。


8月12日
夕立ち
連日のうだるような暑さに、薫風舎は、人間も犬たちも、畑の野菜たちまでも、もう限界に達している。力がまるで出ない。今朝も、朝早くから太陽はじりじりと焼けつくように照り付けて、ちょっと動くと汗が噴出して、やる気を奪い去っていく。
北海道は、お盆が過ぎるともう秋風が吹くから、涼しくなったらなったで、さびしい気持ちになるのは分かっていても、この暑さには、本当に参る。天気予報では、あと数日は、この天気が続く予報が出ている。
そうしたら、夕方、思いもよらず、ぽつぽつと雨音がした。空を見たら、いつのまにか、空一面、雲に覆われている。あれれ?と思うより早く、雨脚はどんどん激しくなり、あっという間に、とんでもない降りになってしまった。あちらこちらの窓を、皆開け放していたから、大慌てで、閉めにまわった。それでも間に合わず、プライベートの北側の窓から、大量の雨が吹きこんで、ムックたちの座布団がぐっしょりとぬれてしまった。
そうこうしているうちに、雨音は次第に弱まって、あっという間に雨はあがった。玄関の向こうのカラマツ林に、ほんの少し陽が射した。かすかな、本当にかすかな虹が立ち上がっていた。その虹をたどると、空の上には、もう少しはっきりと、でも、いつもの大きな虹に比べると、少し華奢な、ほっそりとした虹が、ややしばらく出ていた。窓を開けると、気持ちのよい風が、さあっと吹き抜けた。


8月09日
望岳台
昨日あたりから、暑いながらも空気がさらりと気持ちよい。あまり気持ちがよいので、スタッフのあっこちゃん、もりきょんと夫と4人で、十勝岳の中腹、望岳台のレストハウスに、おなじみの味噌ラーメンを食べに行った。緑のずいぶん濃くなった白樺街道を越えて、白金温泉を通り過ぎ、車は、山並みを見渡しながら望岳台まで一気に進んだ。うちから、約20分ほどだろうか。
レストハウスの味噌ラーメン、私はずいぶん久しぶりだったが、変わらぬ味に大満足だった。忙しいさなか、いつものようにぱぱっと食事を済ませ、外のベンチで、大きなソフトクリームを食べた。うちのあたりとは5℃は違うだろうか。涼しい気持ちのよい風が、優しく吹き上げて、何とも気持ちがよい。山の景色が名残惜しくて、、帰りは、模範牧場をまわることにした。ぐるりと、山の中腹をまわって、牧場を通りかかると、いつもは、のんびりと散らばっている、たくさんの牛達が、一列に並んで、足早に進んでいる。ご飯の時間だろうか、なんだかおかしな光景だった。
大急ぎで、のんびりした時間を捻出する、いつもの薫風舎ファミリーであった。


8月06日
猛暑
デッキの前の秋蒔き小麦が、例年よりはずいぶん遅く8日ほど前に刈り取られた。直後は、茎が黄金色をしていたのが、だんだんに枯れ色になってきた。裏の小原さんの春蒔き小麦は、その頃、まだ緑が少し残った金色に輝いていたが、台風崩れの大雨で、ずいぶん倒れてしまって、心が痛む。台風はまた、北海道らしくない湿度の高い変な暑さを置いていった。それがようやく抜けて、湿度が下がると、今度はこのあたり独特の、盆地らしいじりじりした暑さがやってきた。
今年は、どうやら猛暑らしい。


8月06日
7月29日
猛暑
デッキの前の秋蒔き小麦が、例年よりはずいぶん遅く8日ほど前に刈り取られた。直後は、茎が黄金色をしていたのが、だんだんに枯れ色になってきた。裏の小原さんの春蒔き小麦は、その頃、まだ緑が少し残った金色に輝いていたが、台風崩れの大雨で、ずいぶん倒れてしまって、心が痛む。台風はまた、北海道らしくない湿度の高い変な暑さを置いていった。それがようやく抜けて、湿度が下がると、今度はこのあたり独特の、盆地らしいじりじりした暑さがやってきた。
今年は、どうやら猛暑らしい。


7月29日
山並み
五時に起きてムックたち三匹を外に連れてゆく。外へ出ると、先ず山へと目を向ける。ここ数日、いや数週間だろうか、畑の向こうにあるはずの山は、いつも雲に覆われていた。今朝、久しぶりに刈り取り直前の麦畑の彼方に、トムラウシから十勝岳までの山並みがくっきりと現れていた。澄んだ空気も気持ち良く、早起きしたお客さんの笑顔も晴れ晴れとしている。


7月24日
雑草
昨日、畑の雑草がきれいに無くなった。勿論ひとりでに無くなったのではない。毎年お世話になっている、高齢者事業団のおかげでさっぱりしたのだ。
どうにか順調にカブ、大根、ズッキーニなどが育ってきたのだが、雑草もそれらの成長に合わせる様に、いやそれを上回るスピードで伸びてきていた。どうにも手に負えなくなってきて、いよいよ秘密兵器の登場をお願いしたわけである。それにしても、この秘密兵器はほんとうに頼りになる。朝任せれば、夕方には他所の畑かと見間違うものに早変わりしている。庭の雑草も、次はこっちだよと手招きしているようだ。


7月17日
暑い夏
夏は暑いのが当たり前といいたいところであるが、北海道では冷夏ということもままあるし、当たり前のことが当たり前でなくなってきているのが近年の天候ではないだろうか。それでも、どうにか今年も夏はやって来て、連日25℃を越える夏日を記録しているここ数日。照りつける太陽の日差しも真夏そのものだ。例年並みとか平年並みという言葉に、ピンと来ないと感じていたが、今年の夏は、その普通の暑い夏なのだろうか。


7月10日
夏の贅沢なひととき
昨日、札幌の妹が来た。日曜日の旭川での仕事にからめて久しぶりの滞在だ。
4時過ぎ、東川のカフェトムテの中矢さんに頼んでいたものがあったので、夫に許可をもらい、妹に車で連れて行ってもらった。繁忙期、一番忙しい時間帯だ。こんなことでもないと、出かけることなどとてもできないので、ちょっとサボり気分。なんとなくウキウキした。
久しぶりに青空も顔を出していたので、すごく景色のよい裏道を選んだのだが、二人ともおしゃべりに夢中で、あまり景色をよく見ないうちに目的地に到着してしまった。
カフェトムテには、夕暮れ時のひんやりした風が入って、とても気持ちがよかった。せっかくだから、コーヒーを飲んでいこうか。ケーキも食べちゃう?中矢さんは、大きなマグカップにたっぷりのコーヒーと和と洋の2種類のやさしい味のデザートを出してくださった。もう閉店時刻に近づき、他にお客さんは誰もいない。ついつい3人でおしゃべりに花が咲いた。
ひんやりした空気は、やがて冷たい風に変わり、寒くなって窓を閉めた。窓の外が、だんだんに暮れていく。空は蒼に近づき、まわりの田んぼから、かえるの合唱が聞こえてきた。気がつくと、店内に、新鮮なズッキーニが売られている。うちのはまだだけど、もう採れているんだ。急に夏を感じて、はっとした。薫風舎にいて、まわりの景色を毎日見ているのに、私のやや鈍った感覚の中で、季節は少し止ってしまっていたようだ。うちのまわりとは少し違う「夏」を感じて、あらためて移り行く季節に気がついた。夏の夕暮れ時の、のんびりとしたひとときは、私にとってはとびきりの贅沢な時間だった。
外に出ると、あたりはもうすっかり夜になり、時計を見たら、7時50分を指している。慌ててうちに電話すると、もう私たちの夕ご飯の準備も終わるそう。ごめんごめん、急いで帰るね、と電話を切った。、子どもが遊びに夢中になって、夕飯どきを過ぎてしまった時のような気分に、妙な懐かしさを感じて、帰り道、うれしさがもう一つ増えた。


7月02日
小麦畑
このひとこと、最近麦のことばかりと、あきれないでください。それだけ、私は、麦畑が大好き。デッキの前に広がる、麦の穂のじゅうたんを見ることが、何よりの楽しみなのだ。この2週間あまり、毎日、今日の麦の色が一番綺麗と思う。緑から少し白みがかかって、青みが加わって、それが毎日少しずつ黄みがかってくる。その色を、なんと表現したらよいのか、私はいつも思い悩む。緑に、ほんの少し白と青を加えたその色は、色辞典を見ると、青磁色というのに、一番近いような気がして、その色とともにその言葉が大好きになった。今は、それが、黄金色に向かって、毎日金の絵の具をかすかに足していくような、繊細な変化を続けている。見るたびに、ドキドキするその景色は、このあと2週間あまりたつと、大きなコンバインとともに、あっという間に連れ去られてしまう。その時をおもうと、小麦畑の風景を眺めるその時々を、よりいっそう、いとしく感じてしまうのだ。


6月28日

天気嵐天気嵐って言葉、あるかどうか知らない、というよりないだろうけど、今日の美瑛の天気は、まさしくそんな感じだった。すきっと澄んだ空気の、くっきりとした十勝岳連峰を見たとおもったら、まわりの木々がわっさわっさとゆれはじめ、そのうち雨が降ってきた。また晴れて気持ちのよい夕方、少し強めの風に、今まさにちょうどよい色の麦畑がさわさわと波打った。そのうち、青空がでているのに、バリバリ、ビリッとものすごい音とともに、ボツボツと大粒の雨が降ってきて、それから大きな虹が出た。ダイナミックな変な天気。だけど、きれいなものをたくさん見れて、悪くない天気嵐だったかもしれない。


6月26日
雨のウエディング
昨日、薫風舎で結婚披露パーティーがあった。おなじみのカフェ・ド・ラペの大友さんのクリーム色系でやさしく統一された素敵なお花がテーブル一杯に飾られ、ウエディングケーキがスタンバイ。このところのうだる暑さと焼け付くような日差しで悲鳴を上げていたまわりの畑や木々の緑が、夕方からの雨で洗われて、生気を取り戻し、生き生きと輝きを増し、パーティーの雰囲気を盛り上げてくれた。
こんな素敵な緑に包まれるのなら、雨のウエディングもよいものだと思ったのだった。


6月21日
じっちゃん VS 松原さん
6月は、シーズンをちょっとずらした、ご常連、リピーターのお客様が大勢泊まられるので、なんとも面白い。18日からじっちゃんこと長谷川さんが、一日遅れて松原さんが3連泊していて、薫風舎は現在大賑わいである。
じっちゃんは、「今日のひとこと」もしかすると最多出場の、薫風舎ではちょっとした有名人である。この5年間で数々の話題を振りまいてくれ、数年前の宮様スキー大会の話など、今では伝説と化しているほどだ。気がつくと、もう、70も半ばに差し掛かったというのに、そのパワーは衰えることを知らず、最近では薫風舎の中だけでなく美瑛界隈あちらこちらに出没しては、その名をとどろかせている。
松原さんは、薫風舎ご常連おそらく第一号。私たちとの付き合いは、振り返るとちょうど10年になる。色々な場面で、松原さんとは数々の思い出を共有したものである。そのお二人が、このたび初対面であることに、私達はみな驚いてしまった。
実際、二人の会話を聞いていると、とても初対面とは思えない。まるで、昔からの知り合いのように、陽気な会話が飛び交っている。初めてのお客様も巻き込んでの、じっちゃんと松原さんの楽しいバトルにラウンジを任せて、トップシーズンを目の前にして少々疲れ気味の私たちは、厨房で久々にゆっくりと、安心して夕食を食べさせてもらったのだった。


6月16日
6月の麦畑の風景
良い天気が続いている。これぞ北海道の6月!美瑛の6月!である。美瑛は、どの季節だって良いけれど、桜便りのころから、本州、四国、九州に少ーしだけ気後れな気分(これ、間違った日本語です。あえて今回は。正しくは「気後れした気分」でしょう・・・けれど、私の中では、「気後れした気分」のほうが、はっきりと強いニュアンスで、「気後れなの気分」というと、気後れって書きながらも、心の中では、まあ気後れって程でもないけどさ、と、微妙に言い訳している感じ。・・完全に横道にそれました。)でいるのだが、6月になると、とたんに、腰に手を当て、大また開きで、わっはっは、どうだ、この爽やかさ、他では味わえないだろう!と、急に強気になる。今年は、少し陽気が遅れ気味だったので、このところの気持ちよさが、たまらなくうれしくて、うきうきとしている。
一昨日の朝、デッキ前の麦のじゅうたんは、かたくなにまっすぐと上を向いていた。それが、昨日、今日のうちに、いつのまにか穂が出て、見るとさわさわと風にたなびいているではないか。ジャガイモの花よりも、お花畑よりも、何よりも大好きな麦畑の景色を、薫風舎のデッキが、2年も続けて独占している。太陽や雨をうけて、少しずつその姿を変えながら、私たちを、毎日、いや毎秒といわず常に慰め、この上なく楽しませてくれている。6月の麦畑の風景を、少しでもたくさん心に焼き付けておきたいと思う。


6月14日
夏の日差し
朝、早く起きてコーヒーを持ってデッキに行った。初夏の草のにおいと、落としたてのコーヒーの香りがまざりあう。山は、雲に覆われて裾野くらいしか見えないが、膝丈くらいまで伸びた、秋蒔き小麦の緑のじゅうたんが、雲の合間から現れた日の光を浴びて、いっせいに輝きだした。小鳥のさえずりと、せみの鳴き声。私も夏の日差しを浴びて、もう一度、おいしい空気をいっぱいに吸い込んだのだった。


5月31日
種を置く
低温が続いていた春先の天気を忘れるような、ここ数日、暖かで気持ちの良い青空が広がる毎日だ。
今日は畑に種を蒔き、トマトとナスの苗を植えた。ロータリーで耕した畑に、畝を鍬で切りながら肥料を撒いてゆく。人参・大根・かぶ・ビーツ・トレヴィスそして豆。それぞれ株間に気をつけながら、蒔くというより、土の上に種を置きその上に土を乗せて行く。堆肥もたっぷり入った今年の土は、なかなか良い感触だ。種蒔きが済んだ畑の半分。これからは、それぞれの芽が出てくるまで、楽しみと心配が交差する時が過ぎてゆく。


5月28日
玄関前の畑
白い灰が畑の上にパッと散った。ひと冬の間、ストーブから出てきた薪の燃えカスだ。買って置いた堆肥も撒いた。除雪に使っていた油圧バケットをトラクターから取り外して、ロータリーと呼ばれる回転式の耕運機を装着。あっこちゃんともりきょんが石拾いをした土の中に、ロータリーの歯が心地よく入ってゆく。良し、黒くてふかふかになった畑の土が出来上がった。遅れていた畑づくりも、なんとか種蒔きをする段までになった。


5月25日
種まきの頃
毎年お世話になっている旭川の種屋に行って来た。10年来通っていると顔なじみにもなり、未だ未熟の畑に関しての質問にも、快く対応してくれる。棚に並ぶたくさんの野菜の種の中からも、それ程の時間をかけずに選別して行けるのも、今までのアドバイスが頭のどこかに残っているからだと思う。
低温が続いていた美瑛にも、種蒔き時を告げる、カッコーの鳴く声が畑に響いた。


5月22日
スーパーウーマン
ご常連の大和さんといえば、薫風舎では数々の逸話をお持ちのお客さまであるが、また新たな一ページを残された。
昨日は、予報が外れて朝から小雨ぱらつく天気だった。それでも10時過ぎには雨が上がり、その時を待っていた大和さんはマウンテンバイクにまたがり、颯爽と薫風舎から出発して行った。山の方へと向った自転車はやがて白金街道へと入り、緩やかな上り坂が10数キロ続く温泉までの道を快調に飛ばした。目的地は十勝岳の中腹にある望岳台。温泉からはさらに急勾配の上り坂が始まる。毎晩のダンベル持参の散歩とゴルフとスキーで鍛え上げれられたその頑丈な太腿は、その山道でも根を上げることは無かった。一度もサドルを降りることなくペダルを回し続けて約3時間。レストハウスに到着した大和さんを迎えたのは、たまたま外に出てきた食堂の店員さんの目を丸くした顔であった。
望岳台から白金温泉までジェットコースターのように下った大和さん。温泉に浸かったスーパーウーマンの身体は、何事も無かったかのように身を軽くして薫風舎へと戻って来たのだった。


5月20日
昼下がり
まだ小雨の降っていた朝から、昼前には青空が広がり始めた。昼食のあと、こうしてラウンジのテーブルに向かっていると、目の前の十勝岳の山々が雲を振り払い、その大きな姿を現した。庭の方の窓に目をやると、西から東へとゆったりと雲が流れて行くのが見える。のんびりとした午後のひと時だ。


5月17日
クリの山
昨日は掃除の後、旭川へプランターと苗木を買いに出かけた。ぽかぽか陽気に誘われて、平日にもかかわらずたくさんの人が花の苗などを探し求めて来ていた。大き目の鉢とコニファー、寄せ植え用の花を少し買い、昼食を農家レストランでとって家路へとついた。
チェックインの時間まで余裕があったので、チョッと回り道をすることにした。東神楽の田園地帯を抜けて、山の方へと入っていったその道は、2年前新しい家族クリを見つけた場所だ。その峠道まで来た。日も暮れてすっかり暗くなった山道へ、ヒョロヒョロと出てきたあの時のクリの姿が、春の暖かな木漏れ日のなかにも浮かんでくるようだ。留守番の3匹が待つ薫風舎へと、畑の中の道を急いで帰ることにした。


5月07日
降雪
今年のGW、美瑛の天気はあまり恵まれたとは言えず、気温も低めでラウンジのストーブも火がおちる事は無かった。そして今日、お昼前からみぞれ交じりの雨が降っていたが、3時過ぎからは雪に変わった。夕方5時、玄関前の寒暖計は3℃。明日の朝には窓の外は一面の雪景色、桜前線はまた足踏みとなりそうだ。


5月06日
早起き
夜が明けるのがすっかり早くなったこの頃、それにつられて、ムック・ティンク・クリの行動開始も早くなっきた。4時半にはクリがクゥンクゥンと言い出し、それに呼応するかのようにティンクとムックも足を鳴らし始めるのである。私は、「早すぎるよ」と3匹に声かけながら表へ出る。今朝は快晴で、おまけに日の出の時刻にピッタリと合った。眠い目をこすりながらも、早起きも悪くないものだと山へと続く青い空へと顔を向けた。


5月03日
春本番
美瑛の畑にも、昨日今日とようやく春らしい日差しがふりそそぐようになりました。周りの農家のトラクターは雪解けで遅れていた作業を取り戻すかのように、早朝から畑の中を忙しなく行き来しています。


5月01日
アスパラの日々
ついにアスパラの季節が始まった。ちょうど連休の頃からハウス物のアスパラガスが出回り始めて、5月の中旬から地物へとバトンタッチ。6月下旬までおよそふた月の間、アスパラガスの日々が続くのだ。ここ数年は、このみずみずしく甘い、鮮やかな緑を求めていらっしゃるお客様も増えて来た。が、しかし、なんといってもその味を楽しみにしているのは、食欲旺盛な薫風舎のスタッフなのだ。今日のお昼は、しこしこの讃岐うどんにサッと茹でた山盛りのアスパラ。お楽しみはこれからだ。


4月29日
春のなのに
夕方、日も暮れ始めた頃、裏庭に出てみると、そこここに福寿草が顔をだしていた。南の方ではここ数日、夏のような高温を記録している言う。ストーブの前で見る窓の外の景色は、まるで晩秋を思わせるように日差しを長く畑へと伸ばしていた。今日も時折冷たい雨の降る、肌寒い一日だった。


4月24日
営業再開へ
昨日までの冬の天気がうそのように晴れた陽気に誘われて、デッキにテーブルを出し、外でお昼ごはんを食べた。
新しいスタッフのモリきょんも美瑛へ来て一週間が経ち、もうすっかり薫風舎の一員として動いてくれている。長い休みをもらった薫風舎が、再開への時を迎えようとしているが、ベテランのあっこちゃんとともに片付けと準備に励む姿は、まったく頼もしい限りだ。


4月12日
ようやくの春
冬でも春でもないような天気が続いていた美瑛だが、今日は朝から、本格的な春の日差しが残雪の畑に降り注いでいる。近所の農家では、ハウスの中でアスパラガスの収穫も始まり、いよいよ季節がひところがりしたようだ。


4月03日
真冬の景色
朝目覚めてカーテンを開けると、昨日まで顔を出していた裏庭の草や土が、すっかりと雪に覆われていた。札幌の積雪はこの時期44年ぶりの多さと聞くが、ここ美瑛でも思うようには雪解けが進まず、融雪剤を撒いた農家の方たちにとっては、なんともじれったく感ずる雪景色だろうと思う。


3月30日
お待たせしました。
薫風舎の前の畑にも融雪剤が撒かれて、10日が過ぎた。このところまた降雪の日が続いているが、いまどきの雪は日差しを浴びるとすぐにぐずぐずと溶けてゆきます。
10月下旬よりお休みをいただいていましたが、4月28日より営業を再開いたします。ゴールデンウィークは、空室がわずかの日もでてきております。ご予約をお待ちしています。


2月02日
家の中
昨日も今日も、模範牧場へ行くタイミングを逸してしまった。
昨日は、きりりと冷え込んで、お昼ご飯を食べる頃、真っ白な十勝岳連峰がくっきりと浮かび上がった。久しぶりに青空も出てきたので、模範牧場へ行ってみようと思いながら、暖炉の前でぐずぐずしていたら、あっという間に雲の中に隠れてしまった。今日は、少し空気が緩み、山の頂には、どんよりと雲が垂れ込めていた。午後から暖炉の前で、本や雑誌を読んで過ごした。はっと気がつくと、いつの間にか外はすっきりと晴れ、昨日にもまして、雪の山が輝きわたっている。今日こそと思って、時計を見ると、もう4時半を過ぎていた。これから出かけても、間に合わない時間だ。あっさりと模範牧場行きを断念し、熱い紅茶を入れて、家の中で夕暮れ時を楽しんだのだった。


1月12日
真冬の太陽
今日は、今年一番のよい天気となった。お昼前ラウンジに行くと、久しぶりの出番にここぞとばかりに輝く、真冬の低い太陽が窓からたくさん射し込んで、いつにもまして明るく、眩しかった。夫のダウンを借りてデッキに出ると、凛とした空気と暖かい陽の光が混ざり合い、この上なく気持ちがよい。
しばらく椅子に座って、くっきりと見える十勝岳連峰を、目を細めながら眺めた。右の頬だけが、直射日光を浴びてほわんと熱くなってきた。雪の下に秋蒔き小麦の眠る真っ白い雪原の上には、まるで宝石をちりばめたように氷の塊が、キラキラキラキラと光っていた。時間が止まってほしいと思わずにはおれないひとときだった。


1月11日
ギアアップ
今朝が冷え込むことは、夕べからじわじわと感じられた。迷わず、納屋の冷蔵庫には、お湯を沸かしたなべを入れた。朝起きると、外に出なくても、この冬一番の寒さであることがわかった。(確かめてはいないがたぶん。)もう10年もすんでいると、頭も体も、この寒さが昨日までとは違うことがわかるから、無意識に身構えていて、着るものも、暖房も、自然と一段階ギアがアップする。寒いねーといいながら、みな、内心、おお来たきた、と思うのだ。
天気は、終日曇っていたが、午後から山の方にだけ薄日が射し、十勝岳の雲がモクモクとたなびいているのが、くっきりと見えた。山がちゃんと見えたのは、この冬3度目くらいだろうか。
暖炉の前にいても、汗をかくことはなかった。


1月10日
二度おいしい
あっこちゃんが昨日帰ってきた。夕方、空港に迎えに行って、そのついでに旭川のイオンに寄り、旭川の雷電寿司に注文してあったお寿司を持ち帰って、三人でたらふく食べた。やっぱり、3人になると食欲がぐんと増すので、要注意である。
それにしても、旭川の雷電寿司の存在はありがたい。回転寿司もおいしいところがあるのだが、ここのお寿司はおいしくて、そして驚くほど良心的な価格なのだ。特上がついこの前まで1400円。さすがに去年行ったときに1600円に値上げしていたが、それでもありがたい。ネタは大きく、これでうに、いくら、大トロもはいっているのだから、大満足だ。それに、生太巻き(生寿司のネタがみな入った太巻き。直径12センチはある。)、鯖太巻き、などの追加メニューもすばらしい。昨日は、初めて普通の太巻きを頼んだら、これがまた10センチくらいあって、とてもおいしかった。
このところ、暖炉の前でごろごろしながら、サライのすし特集を眺め、その値段の高さに、呆然としていた。一人前最低でも6、7千円。いかにも小さそうなのが8かんくらいで。お好み15000円〜など、本文よりも、値段のほうにばかり目がいってしまう。毎日見てるから、なんとなく二人ともお寿司が食べたくなって、あっこちゃんも好きだから、もうおとといから昨日のメニューは雷電寿司に決めていた。
うちについて、お茶を煎れて、特上3人前と太巻き一本、並一人前、あっという間に平らげ、しめて、6300円。値段を聞いて、満足度は頂点へと達したのだった。


1月08日
パセリ
夏に畑で育って、鉢に上げたパセリがぐんぐん伸びている。廊下を通るたびに、これをどうにかして食卓にのせたいと思っていた。そうしたら、今日友人が、自家製のおからを持ってきてくれた。そうだそうだ、おからのサラダのことをすっかり忘れていた。明日はあっこちゃんも帰ってくることだし、迎えにいく前に、パセリをたっぷり入れたおからのサラダを作ろうと、うれしくなった。
あっこちゃんが帰ってきたら、人参のサラダやジャガイモのコロッケにも入れて、せっせと食べよう。3人になると思うと、がぜん頭の中に、いろいろなメニューが浮かぶのだった。


1月07日
牡丹雪
今日も雪がよく降る。大雪、小雪を繰り返して、夕方までにずいぶんと積もってしまった。2、3日前ほどではないが、気温が高いので、デッキの雪はすぐ溶けて、ぬれている。建物のまわりは、ふわふわした牡丹雪で覆われている。雪が音を吸収して、あたりはシンと静まり返っている。


1月06日
藍色
真冬の夕暮れ時は、あっという間にやってくる。ふと外を眺めると、あたりが艶やかな藍色に染まる。その美しさに息を呑みながら、ラウンジの窓から山を見ると、蒼く染まった景色に、十勝の山々が、怪しい白さで浮かび上がっていた。その一瞬。気がつくと、窓の外は暗闇に包まれて、薪ストーブのオレンジ色の炎が目にまぶしく飛び込んできた。


1月04日
湿った雪
夕べ、雨が雪へとかわり、今日は一日中、湿った雪が音もなく降り続いた。窓から眺めると、昨日緩んで汚くなった風景がすっぽりと真っ白い雪景色に包まれて、その美しさにほっとする。が、気温の高い重たい雪はとても厄介で、夫は、午後いっぱい、トラクターでの除雪にてこずっていた。雪が重たい上に、下が凍っていないので、バケットで雪を押すのが、大変なのだ。明日は、最低気温が今日よりも10℃下まわるそうだ。気温が下がると、今度は納屋の冷蔵庫の凍結に注意しなければならない。ダイナミックな気温の変化に、冬の心配は尽きない。


1月03日
冬の雨
夕べから、だんだんと空気が緩み、今日はプラスの気温となった。雪の表面が融けてべたべたとして、空気がもわんといやな感じだ。屋根の雪が、ドサッと落ちるたびに、ムックが怖くて右往左往する。ラウンジの屋根の雪も、出っ歯のように突き出してきたと思ったら、さっきすごい音を立てて落ちた。夕方からは、雨も降り出した。冬に雨が降ると、きっと明日は荒れ模様だ。


1月02日
背中
薫風舎の広いラウンジを薪ストーブで暖めるのは、ひと苦労である。ストーブをつけてしばらくしてから、上下着込んで、ようやく昼食時にラウンジへと足を運ぶ。まだ暖まっているはずもないので、すぐにストーブの前に座り込む。鮮やかなオレンジ色の炎を背にすると、暖が背中いっぱいに広がる。
きっぱりと晴れわたった昨日とはうって変わって、今日はねずみ色の雲が山をすっぽりと隠している。暖炉の前にごろんと横になる。冬景色とはとても不似合いなボサノヴァが、まったりと眠気を誘う。しばらくうつらうつらすると、背中が焼け付くように熱い。寝ぼけて体が動かず、「う〜。背中が焦げる、背中がこげる。」とうめき声を上げる。気がつくと汗だくだ。
そうこうしているうちにラウンジ全体が温まって、だんだんと行動範囲が広くなる。パソコンの前に座る気にもなるというものだ。


1月01日

新年明けましておめでとうございます。
今年もどうかよろしくお願いいたします。


昨年8月、不覚にも体調を崩し、札幌の実家に帰っていた。2ヶ月あまりの入院生活を体験しました。皆さんにご心配をおかけして、申し訳ありません。また、多くの励ましのお言葉、お心遣い、本当にありがとうございました。12月25日、久しぶりの薫風舎へ帰ってきました。ピンと引き締まった美瑛の空気と、いつもと変わらない薫風舎のたたずまい。留守番を引き受けてくれたチャコちゃん、あっこちゃん、ありがとう。大喜びしてくれたムック、ティンク、クリ。うれしい帰還となったのでした。チャコちゃんは、12月19日、約1年半にわたる薫風舎での生活を終え、滋賀に帰りました。あっこちゃんは、12月29日、愛知に帰省。10年目にしてはじめての、二人(と三匹)の静かな年越しでした。私たちは、あっこちゃんが戻ってきてから、1月10日過ぎに札幌へ戻り、しばらくは行ったり来たりの生活が続きます。また元気に皆さんとお目にかかれることを励みに、この冬を乗り越えたいと思います。春からは、通常営業をいたしますので、 どうぞ今年も薫風舎をよろしくお願いいたします。